開山1200年に向けて
古には西の総本山比叡山に対して東の総本山、また、関東天台八ケ檀林の筆頭として栄えた当山は2030年に開山1200年を迎えます。
中院は「しだれ桜」や「お茶発祥の地」として有名ですが、檀林の伝統を今の形で継承すべく、文化講座や大人の寺子屋教室を数多く開催しています。
多くの方々に伝統文化に触れていただくという趣旨の元、2000年以来趣向を凝らした文化講座を開催。
茶道を始めとして、仏像彫刻・写経などを学ぶ「大人の寺子屋」教室を主催。
寺院本来の姿である学び舎、どなたでも訪れ、参加することができる『開かれた寺院』でありたいと願っています。
開山1200年に向けての記念事業の一環として、平成20年、境内西にバリアフリーの新区画墓地を造成。
平成24年には、長年懸案だった薬師堂を復興いたしました。
薬師堂は本堂西方極楽浄土の阿弥陀如来に対して東方浄瑠璃界の東南に位置し、堂内に十三仏を祀る永代供養墓(位牌・納骨堂)として建立。
みなさまと当山が新しいご縁で結ばれることを願って、『遊行の会』を発足いたしました。
平成18年より盂蘭盆会の際に、檀家の方々に献灯していただいた数百に及ぶローソクの炎で境内を灯す「法灯花」を始めました。
揺らめく光と影の中、住職による慰霊追善法要も行われます。
また、本堂東の黒門を開放、通常は非公開の奥庭で、線香花火を始めとしたさまざまな花火を自由に楽しんでいただいています。
毎年恒例のこの行事には、檀家のみならずご近所の方々や一般の方々が数多く訪れてくださり、望外の喜びでもあります。
『お寺に集う』、この大切なことを忘れずにいたいと思います。
歴史と伝統は、1200年経った現在でも、新たに作られ継承されてゆくものです。
中院は、その歴史と伝統を踏まえつつ、みなさまとともに歩んで参ります。